乳房増大術(豊胸術)にはインプラント(豊胸バッグ)、脂肪移植、フィラー(ヒアルロン酸)による治療があります。それぞれメリットとデメリットがありますので、それらを十分理解した上で自分に合った治療法の選択をしてください。
1.インプラント豊胸術
乳腺下、または大胸筋下にインプラント(豊胸バッグ/人工乳房)を挿入する方法です。わきのしわ、もしくは乳房下線に沿って3〜3.5cmの切開が必要で、傷はシワに沿って綺麗に縫合するので目立ちません。また、希望の大きさに対して、元々の乳房の大きさや乳房下垂の有無、皮下脂肪の厚み、乳頭の位置などをみて適切な大きさや形のインプラントを決め、インプラントのサイズも複数用意して治療に入ります。
・使用するインプラントはMOTIVA
2.脂肪移植豊胸術(CRF)
アメリカFDA(日本の厚生労働省に該当)の認可を受けた機器LIPOMAX-SC(コンデンリッチファット/CRF)で、採取した脂肪を外気に触れないまま遠心分離にかけ、死活・老化細胞や細胞破片などの不純物を可能な限り除去して、できるだけ細かく乳房に移植していきます。脂肪移植豊胸では術後のリスク(しこりや嚢胞など)を極力避けるため、注入脂肪は重複を避けて移植することが求められ、一度に多くの脂肪を移植すると、これに逆行してしまいます。このため、当院では一度に多くの脂肪を注入しないことを治療方針としています。特に、元々小さな乳房の方は移植する側のスペースにも限りがありますので、1回の治療で移植する脂肪は片側80〜100ccを限度としています。※手術が短時間で終わり、身体の負担が少なくなるメリットもあります。
3.フィラー(ヒアルロン酸)豊胸術
当院は乳房エコーガイド下でヒアルロン酸を注入することでヒアルロン酸による豊胸術で起こりうるデメリットを減らす治療方針で、術後管理しやすくするため、細かく注射しません。そのため、万が一、入れたヒアルロン酸を除去したいと思っても容易に注射だけで取り除くことができますのでご安心ください。ヒアルロン酸は元々体内に存在するムコ多糖類で、高い水分保持能によって肌のみずみずしさをキープする役目を担います。美容医療ではヒアルロン酸は、ほうれい線や目の下、眉間、額などのしわの他、涙袋形成や鼻、あごなどの形を整える目的やバストアップなどさまざまな用途で使用されています。注射のみの施術のため、比較的安全で気軽に施術を受けることができ、ダウンタイムも少なく、その場で効果を実感できるため非常に人気のある施術です。また、ヒアルロン酸はバイオ技術で精製された非動物由来製剤ですので、ウィルスによる感染症やアレルギーの心配がありません。